茨城県の伝統食材、凍み(しみ)こんにゃく。江戸時代から続く、厳寒期に作る保存食です。
茨城県を旅した時に知りました。水戸駅のエクセルみなみのお土産屋さんにありました。9枚入りで1,000円くらいでした。

江戸時代に茨城県常陸太田市天下野町(けがのちょう)に、丹波の国より伝わったもので、冬の寒気・冷気でこんにゃくを乾燥させて作る保存食です。
田んぼに藁を敷き詰め、その上にこんにゃくを置き、水を1日4回くらいかけながら山間部の自然の冷気で夜に凍らせ、昼間に溶かし、この行程を20日間繰り返します。その後、7日間ほど水分を抜くために
自然の中で乾燥して作っています。
湿気を避ければ50年以上保存できるそうです。
原材料は、こんにゃく芋と水酸化カルシウムのみ。

食べ方は煮物や炒め物、炊き込みご飯の具材に、単品で天ぷらやきんぴらで食べるのがおすすめのようです。

洗顔用スポンジとしても使えるようです。昔から赤ちゃんの肌洗いに使われてきた、肌にとてもやさしい天然繊維なのだそうです。

凍みこんにゃくの表面には藁の跡がついています。


調理する時は30℃くらいのぬるま湯に30分ほど浸けて、軽く揉みながら2~3回水を取り替えてアクを抜きます。


きんぴらで食べてみましたが、弾力があるので満腹感が得られます。ごま油で炒めて、醤油・酒・みりんで薄く味付けすると、美味しかったです。水分をよく吸うので薄めの味付けがおすすめです。
地元では冠婚葬祭時の赤飯と煮物で食べることが多いようです。

凍みこんにゃくを詳しく説明しているサイトを見たら、フライがおすすめとありましたが、油を吸ってしまうので、個人的には重く感じてしまいました。


薄い味の出汁を染み込ませて高野豆腐のように食べてみるのがおすすめのような気がしました。
凍みこんにゃくの歴史ですが、茨城県の天下野町(けがのちょう)では、昭和の初めには50軒くらいの農家が冬の農閑期を利用して凍みこんにゃくを作っていました。厳冬期の重労働と高齢化で、戦後になると一軒一軒と消えていき、1984年(昭和59年)には全国でも食用の凍みこんにゃくを作る農家は一軒になっていました。
その一軒が高齢で作れなくなることになり、他の農家が伝統を守るために作り始め、現在も手作りで伝統食材を守っています。現在では隣町の大子町でも2社の業者が凍みこんにゃくを作り、関西では播磨の多可町で、明治時代より洗顔用の凍みこんにゃくを作っている業者もあるようです。
参考サイト:凍みこんにゃくの歴史 (fc2.com)
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