旧暦2月8日は事八日といわれる、事始めの日。旧暦12月8日の事収めと対をなす日で、一年の祭事や農事を始める日とされています。
新暦でいうと、2月下旬~3月中旬の頃に事始めの日を迎えます。
事始めの日は二通りの捉え方があって、2月8日を事始めとし12月8日を事収めとするものと、12月8日を事始めの日とし2月8日を事収めの日とするものがあります。
お正月の神事を中心とした場合は12月8日が事始めとなり、農事を中心とした場合は2月8日が事始めとなります。正月が終わり田んぼで仕事を始めると考えると、2月8日は事収めの日であり事収めの日でもあります(お正月の事収めの日=農業の事始めの日)。

そんな事始めの日には、無病息災を祈って食べる「お事汁」を飲む習慣が各地にはあったようです。
里芋、大根、人参、牛蒡、小豆、こんにゃくの六種類の具を入れた味噌汁です。
ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富でバランスの取れた栄養価のある食べ物で、寒い季節に体を芯から温める健康食でもあります。
地方によって入れる具材は様々で、慈姑(くわい)や焼栗、焼豆腐を入れる地域もあるそうです。
六種類の具材を入れることから、「六質汁」(むしつじる)とも呼ばれているのだとか。

豆腐に針を刺す「針供養」が行われるのも、事八日の日です。
関東では2月8日、関西では12月8日に行われることが多いようですが、これは新暦のようです。事八日を旧暦で捉える場合と新暦で捉える場合があるようで、この辺りのことはよく分かりません。
六質汁には六種類の具材を入れるといいますが、なぜ六という数なのでしょうか。日本では三・五・七が好まれていて、六はあまり聞きません。大陸で好まれる数字のようなので、そこから来たものなのかもしれません。六曜・六道・六文銭のように。
何かの機会で知ったらまた紹介したいと思います。

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