知人から鏡餅にと橙(だいだい)をいただきました。
これまで自分の家で鏡餅をお供えしたことはありませんが、せっかくの機会なので今年はやってみることにしました。
初めてなのでよく分からないのですが、取りあえずでこんなものを買ってきました。

餅が一体型のものですが、最近では容器の中に切り餅が入っているものが主流です。
今年は来年に鏡開きをしてみようと思っているので、餅が容器に詰められているものを買いました。
四方紅(しほうべに)や紙垂(しで)、土台はお餅とセットで入っています。
裏白と譲り葉はお花屋さんで買う必要があります。

譲り葉は紅白の紙垂が付いて、200円くらい、譲り葉は1枚50円でした。
例年特に気にしたことがありませんでしたが、年末は譲り葉や裏白は花屋に大抵置いてあるようです。

四方紅に裏白を乗せます。
四方紅は、四方を紅で縁取ることで、天地四方の神を敬い、災いをはねのけ、一年の繁盛を祈願するという意味があります。

裏白は、葉っぱの裏が白いことから清廉潔白の心を表します。
また、葉の模様が対になっているので、夫婦仲むつまじく白髪になるまでの長寿を願うという意味もあります。葉の裏を上にするのがよいとされていますが、反対でもいいようです。
裏白の上にゆずり葉を2枚乗せ、その上にお餅を乗せます。譲り葉は、新しい葉が出てから古い葉が落ちるので、家督を子孫に譲り、家系が続くことを表しています。

お餅は封を切った方がいいのでしょうが、鏡開きで食べるのでそのままにします。開封してしまうとカビが生えてしまいます。
一昔前はカビの付いた場所を包丁で削ぎ落して、油で揚げてかき餅にして食べる人が多かったのですが、今では捨てることが多いようです。そんな事情から個包装の切り餅が売られるようになっています。
お餅が丸い理由は、三種の神器の銅鏡を真似たからといわれています。人間の心臓の形を型どっているからだとも。
そして橙(だいだい)には、「代々家系が続くように」との願いが込められています。橙は春になっても枝から落ちることがなく、一度成ると数年実り続きます。実った橙は翌夏になるとまた緑色に戻り、4~5年は落ちないのだそうです。
その強い生命力から、家系が代々長寿・繁栄することを願って飾られます。

写真左にある紅白の紙は、紙垂(しで)です。四手とも̪垂ともいいます。邪気を払い場を清める意味があります。
地方の風習によっては、海老や昆布、串柿をお餅の上に乗せることがあるようです。海老は長寿、昆布は「喜んぶ」、柿は「嘉来」を表す縁起ものなので、鏡餅に入れることがあります。

せっかくなので、鏡餅を飾る意味や飾るタイミングについても書いておきます。
鏡餅を飾る意味
鏡餅には、年神様が宿るといわれています。古来より鏡には神様が宿るとされていることから、鏡に似せた餅を飾って神様と共に新年を祝うという意味が、鏡餅にはあります。
年神様とは、新年の神様で、祖霊神であり田の神であり山の神でもあります。元旦には年神様が各家庭にやってきて、1年の幸福をもたらすのですが、年神様が宿るのが鏡餅です。
鏡餅は各部屋に置くのがいい
そんな、年神様が宿る鏡餅は各部屋に飾るのが良いとされています。床の間やリビングのメインの場所にはきちんと手をかけた鏡餅を飾り、その他の場所には簡易的小さなものを飾ります。
飾る場所は、床の間やリビングの他に、キッチン、玄関、寝室、子供の部屋などです。トイレや洗面所など、全ての部屋に飾る人もいるようですが、そのへんは人それぞれでしょう。書斎や子供の学習机のある部屋に飾ると、仕事や勉強にいい成果が出そうですね。
鏡餅を飾るタイミング
クリスマスを過ぎた26日から28日にかけて飾るのが一般的かと思います。その前でもいいのですが、クリスマスの飾りをする家庭が多いので、クリスマスの終わる26日以降が一般的には飾り始める日とされています。
正月飾りは28日に飾るのが縁起が良いとされています。28の8の字は末広がりの意味があるので、縁起がいいのです。また逆に、29日と31日に飾るのは避けた方がいいとされています。29の9には「苦」の意味があり、31日に飾るのは一夜飾りになるからです。
ただ、地方によってはあえて29日に飾る習慣もあるようです。29は「福」とも読めることから縁起が悪い訳ではないという考えです。節分の豆まきの時に「鬼は内」という場所が意外と多くあるように、地域によって縁起の良し悪しはそれぞれですから、一概に29日に飾るの駄目だともいえないのかと思います。
31日に飾る「一夜飾り」は避けた方がよいでしょう。直前に飾るのは神様に対する誠意の足りなさを表していることになりますし、「一夜飾り」は葬式の一夜飾りを連想させます。
仕事の忙しい人は、仕事納めの後の30日に飾る場合が多いのではないでしょうか。
大安とは
よくスーパーの正月飾りのコーナーに、その年の大安が書かれた六曜の日付が貼られていることがあります。これは正月飾りは大安の日に買うと縁起がよいという販促です。大安だけでなく、先勝の日は午前に、先負の日には午後に正月飾りを買うのがよいとされています。
しかし、六曜は中国で生まれて鎌倉時代に日本に伝わったものなので、神道とは関係なく、正月飾りを買う時に気にする必要はないのかなと、思います。
スーパーにある大安のカレンダーは、「今日は大安だ。今買っておいた方がいいや」と、その場で購入を決めさせるための販促物なので、特に気にする必要はないのかと個人的には思います。

写真にあるように、裏白は少しずつしおれてしまうので、気になる人は30日に買ってきて鏡餅を飾るのがいいのかなと思います。
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