今回は京都を代表する食の一つ、湯豆腐をご紹介します。
訪れたお店は嵯峨とうふ稲。

嵐電の嵐山駅の目の前の通りにあります。(訪問日は2022年3月)。

こちらのお店では湯豆腐の定食を手軽な値段で食べることができます。
嵯峨御膳1,980円を頼みました。
(小鉢:自家製胡麻豆腐
煮物:季節の野菜とひろうす(がんもどき)の炊き合わせ
蒸物:豆乳の茶碗蒸し
手桶:自家製くみあげ湯葉
温物:湯豆腐
椀物:白味噌汁
御飯:五穀米
香の物:京漬物
甘味:国産の本蕨粉を使い、釜練り製法で仕上げた自家製のわらび餅)

京都の食と言えば懐石料理や精進料理が有名で、食材は鱧や筍、湯豆腐が知られていますが、事前に調べてみるとどれも高く、なかなか気軽に食べられない値段でした。
ですが、こちらのお店は気軽に食べられる値段でありがたかったです。
湯豆腐は滑らかな触感でやさしい味でした。
手桶の湯葉が見た目よりも多く入っていて、厚みもあり、食べごたえがあり嬉しい一品でした。


おつゆを手桶の中に入れて豆乳スープとして食べるのもおすすめです。

湯豆腐は南禅寺周辺で発祥したとされている鍋料理で、そのルーツは精進料理と言われています。
湯豆腐の材料は豆腐、水、昆布だけととてもシンプルで、そのため調理方法よりも、素材の質が料理の味を大きく左右します。
豆腐の成分は大半が水分なので、水の良し悪しが湯豆腐の出来を大きく左右しますが、京都は昔から水が美味しい所だったため、いい豆腐ができました。
京都は地下水が豊富で(観光名所で有名な錦市場も豊富な地下水で「京の台所」として栄えました)、
その性質は軟水ですが、軟水はミネラルが少なく料理に使っても雑味が出ないのだそうです。
またミネラルの少ない軟水だと豆腐が柔らかく仕上るのだそうです。
逆にミネラル分の多い硬質で豆腐を煮ると、水の中のミネラルが「にがり」の働きをして堅くなるのだとか。
江戸時代になると湯豆腐は庶民にも広まり、京の豆腐は安くて美味い、「やわやわ」で「つるんつるん」だと評判になりました。
それに加えて、南禅寺周辺や嵯峨嵐山周辺の豆腐屋が柔らかくて滑らかな豆腐の製造方法を編み出したことになり、その評判が全国に広がり京の名物料理になったようです。
京の近くに丹波や近江の大豆の特産地があったことも、豆腐が多くの人に食される理由でした。

京都の食を代表する湯豆腐は、今では京都の各地に広まっていますが、大きく分けると東の南禅寺周辺と西の嵯峨嵐山周辺が有名なようです。
お店によって作り方は違うのでしょうが、大まかに言うと東の方は凝固剤に「にがり」を使い、西の方は「すまし粉」を使うという違いもあるようです。
※すまし粉:硫酸カルシウム。石こうから作られるが、現在では化学合成されたものが多く出回っている
※にがりにすまし粉が使われるようになったのは戦時中・戦後
YouTubeでも湯豆腐を紹介しています。動画では嵐電の嵐山駅にある京友禅のポールが並ぶキモノフォレストや渡月橋から見える嵐山の景色も紹介しているので、是非ご覧ください。




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