日本酒の原料となるお米にはいくつか種類がありますが、その中の一つに「雄町」という酒米があります。
主に岡山県で栽培される酒米で、「幻の酒米」とも呼ばれます。
以前から気にはなっていたものの、なかなか飲む機会がなかったのですが、先日ちょうどいいサイズのものがあり、買ってみました。

辻本店 稲ロゴ 雄町65
雄町ならではの旨みと酸味とのバランスが絶妙なスタンダード純米酒。長期熟成することで、丸みを帯びた上品さも醸し出しています。ワイングラスでおいしい日本酒アワード2020で金賞受賞。
(御前酒蔵元 辻本店ホームページより)
500ml、900円(税抜)
「旨味があり芳醇」「ふくよかな味わい」というのが、雄町の特徴のようです。

余談ですが、個人的にはこの手の細い瓶は冷蔵庫に入れておくのにいいサイズでありがたいです。飲みきれなかったお酒を入れて、料理酒にする時にちょうどいいのです。
さて飲んでみましょう。

率直な感想は、重いです。
すっと口の中に入ってくるのですが、飲み口が重い印象です。純米酒ならでは重さとはまた別の、重さが感じられます。
堅ぶつ(おかき)と

しょっぱいものと合わせたら中和されたり甘みが出るのかと思いきや、酒の強さが増しました。
存在感があるというのか、つまみに左右されないというのか、ブレない感じがあります。どっしりとしていたり、パンチがある訳ではないのですが(多少のアルコールの強さはあります)、飲んだ感の強いお酒といった印象です。
個人的にはちょっと、重過ぎます。

タコの刺身や更科そばと

別の日に他のお酒も買ってみました。

玉乃光 純米大吟醸 備前雄町360ml、799円

ポップ(プライスカード)に499円とあったので買ったら、付け間違いで799円でした。こういうことはスーパーでよくあります…。
純米大吟醸のパターンも飲んでみたかったので、返品せず飲んでみました。この機会を逃したら、もう飲むことがなさそうですし…。
味は、吟醸香があり飲みやすさは増しましたが、基本的なお酒の味はさっきのお酒と変わりません。
やはり、重いお酒です。「ふくよかな味わい」と表されることが多いのですが、甘みやボリュームがある、とも言えます。
日本酒通の人には雄町が人気のようです。分かるような、分からないような、そんな感じですが、たまに飲んでみたくなるタイプのお酒でした。

最後に雄町の説明を少し。
酒米の雄町は、有名な酒米である山田錦や五百万石などの優良品種の親として知られており、現存する酒米の約1/2の品種は雄町の系統を引き継いでいます(2/3とも)。
100年以上も前に発見され、日本中でただ1品種残された混血のない米として、多くの杜氏や日本酒愛好家たちに強く支持され続けています。
稲の背が高く(2m近くまで育つ)倒れやすいうえに、病気にも弱く、栽培が難しいことから、一時は生産量が激減し「幻の酒米」と呼ばれるようになりましたが、根強い要望により生産が回復しました。
広島や福岡、香川でも作られているようですが、大半は発祥の地である岡山県で作られています。
雄町は栽培だけでなく、酒造りも難しいといわれ、最近では雄町特有のふくらみのある純米酒が造られますが、以前は大吟醸酒に使われていたらしいです。
岡山を代表する農産物なので、岡山県に行った時には飲んでみたり、お土産に買うのもいいのかと思います。
参考サイト:JA全農おかやま (zennoh.or.jp)
JA全農おかやま>岡山の農畜産物>米>岡山県の酒米『雄町』とは?
コメント