徳島県の名産品の半田素麺。
冷麦(ひやむぎ)並みに太いのに「素麺」と名付けられている不思議な素麺です。
一般的に素麺は直径1.3mm未満のものを指し、それより太いものは冷麦、もしくはうどんと呼ばれています。直径1.3~1.7未満を冷麦、直径1.7mm以上をうどんと呼ぶことがJAS規格で決められています。
素麺も冷麦もうどんも小麦粉と塩で作られているので、原材料は同じです。乾燥させた時の麺の太さで呼び方が変わるのです。
しかし半田素麵は、200年以上の歴史があり昔から「半田素麺」の名前で全国に通っていることから、素麺と表記されることが認められているのだそうです。

半田素麺は江戸時代から作られるようになりました。江戸時代に奈良の三輪から淡路、鳴門を経由して四国の半田村に素麺の技術が伝えられ、素麺作りにあった風土・気候、そして清水のおかげで半田村で素麺作りが繁盛しました。
現在でも徳島の半田地区(美馬郡つるぎ町。旧半田町)で作られるもののみが「半田素麵」と呼ばれています。

太い素麺なので夏には冷やしそうめん、サラダそうめん、和風スパゲティ、冬にはすき焼き、お好み焼そうめん、味噌汁になんかもおすすめのようです。

茹でてみると確かに太さがあります。

冷麦というよりも、細うどんといった感じです。

しっかりとして食べ応えがあるので、満腹感があります。
素麺という食べ方よりも、汁につけたうどんとして食べる方が美味しく感じます。

一般的に素麺は冷麦よりも高級な感じがしますが、これは素麺が生地を熟成させる必要があるからだとされています。昔ながらの手延べで作る素麺のイメージが現在も残っているからのようで、手延べだとで麺に粘りとコシが生まれ、冷麦よりも美味しくなるのだそうです。
半田素麺も手延べなので、熟成した麺の粘りとコシを味わえる素麺となっています。

素麺は奈良の三輪素麺、兵庫の播州素麺(揖保乃糸が有名です)、香川の小豆島素麺がよくしられていますが、他にも宮城の白石素麺、富山の大門素麺、愛媛の五色素麺、長崎の島原素麺も有名です。
毎年違った産地の素麺を食べてみて、その歴史を紐解いていくのも楽しそうです。そんな夏の風物詩を楽しむのはいいのではないでしょうか。
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