【立春】立春大吉餅と福茶

春の味覚
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2020年2月3日は立春の日。暦上では春が始まる日です。この新しい季節の始まりとなる立春の日に、縁起のいいものを食べる文化が日本の各地にはあります。

和菓子では「立春生菓子」という、立春の朝に作ってその日のうちに食べる生菓子があり、桜餅やうぐいす餅などの春を感じさせる生菓子が好まれて食べられます。

また、地域によっては大福も食べられます。小豆や餅には穢れを祓う力があるとされ、立春の朝にできた大福は縁起がいいといわれています。

古来では季節の変わり目には悪鬼が出てくると考えられていたので、春になる立春には「豆=摩滅(まめ)」の入った大福を食べた風習が受け継がれてきたのだと考えられています。

昔は「立春大吉」と書いた紙を家の門に貼る習慣があり、その名残から「立春大吉餅」という大福が立春の日に食べられることも多いともいわれています。

「立春大吉」という文字は、すべて左右対称です。縦に書くと、紙の裏から見ても「立春大吉」と読めます。門や玄関に「立春大吉」と書かれた御札を貼っておくと、鬼が家に入ってきても、まだ家に外にいると勘違いして外に出て行ってしまうという言い伝えがあり、「立春大吉」の文字は厄除けとして使われるようになったといわれています。

鎌倉時代だったか室町時代だったか、禅寺の門で貼られたのが始まりとされています。

そんな言い伝えのある立春の日のお菓子ですが、お茶には福茶というものがあります。

大豆と結び昆布と梅にお湯を注いだものですが、煎茶やほうじ茶に大豆を入れたり、結び昆布の代わりに塩昆布を入れたりと、特に決まりはないみたいです。大豆は縁起のいい数にして3つだけ入れるという飲み方があるようですが、縁起のいい3、5、7などの数が好まれています。

福茶は、本来は新しい年に初めて汲んだ若水(わかみず)で作るものをいいました。旧暦では立春が正月にあたるとされ(必ずしもそうとは言えないのですが一説として)、新年汲んだ若水を神棚にお供えをした後、食事や洗顔に使い、茶を淹れて新年を迎えました。

それが室町時代になると、当時のお茶受けだった梅干しや結び昆布、大豆を新年を祝うお茶に入れて飲むようになり、「梅は年を重ね、昆布はお正月を喜ぶ、豆はまめに働く」といった願いが込められていたといわれています。

いつどこでどのようにしてできた文化なのか、詳しく知りませんが、立春の日にこうしたことを少し気にしてみると季節を感じることができるのかもしれません。日頃行かない和菓子屋を覗いてみるのも、よさそうです。

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