2020年7月22日、大暑に入りました。
昨日で土用丑の日が終わりましたが、依然雨の日が続いています。
今年は長雨の影響で野菜の高騰が見込まれています。
世間では葉物の値段が高騰し、この先は日照時間が足りずきゅうりが高くなるのではないかと言われています。

そんな夏の日に紹介する和菓子は、わらび餅。
近くの和菓子屋を覗いてみたら冷凍のわらび餅が売っていたので、買ってみました。
わらび餅は日持ちしない常温のお菓子だと思っていましたが、最近では冷凍して日持ちするものが珍しくないようです。
解凍した冷たいわらび餅を食べるのも、涼味とは知りませんでした。
形もてっきり丸いものかと思っていましたが、角切りです。

わらび餅について少し調べてみると、知らないことばがりでした。
本来わらび餅は、山菜の蕨(わらび)の根から取れる澱粉(でんぷん)を乾燥させたものを原料とします。
しかし、現在では葛粉を混ぜたものや、サツマイモなどの澱粉(でんぷん)で作ったものもわらび餅としています。
蕨だけでできた本物のわらび餅は、5倍以上値段が高くなるうえに、賞味期限も2時間しか持たないようです。
出来立てを食べないと、段々と固くなっていくのだとか。
しかも、わらび粉は灰色なので、蕨だけで作られた本物のわらび餅は色が黒くなります。
そんな訳で、市販のわらび餅は葛粉やサツマイモなどの澱粉が混ざっています。
「甘しょ」とは、サツマイモのことです。

サツマイモの澱粉だけのものも「わらび餅」と表記されているのが、実情です。

葛粉を使うよりもサツマイモの澱粉を使ったものの方がより安価になります。
買ってきたこれもサツマイモの澱粉でできているのでしょう、葛粉が少し入っているのかもしれませんが。

実際のところはサツマイモの澱粉で作ったお餅ということですね。
そう思うと詐欺とまでは言いませんが、何だか不思議な感じがしますが、昔からそういうものらしいのです。
葛粉やサツマイモの澱粉を混ぜるのは、蕨の原料不足によるものですが、これは江戸時代の頃には既に葛粉を混ぜるようになっていたようです。
ちなみに、わらび餅の起源ですが、後醍醐天皇が好きだったことはよく知られているようで、室町時代にはあったようです。

ついでに頂き物の、抹茶わらびもち。
抹茶の苦みときな粉やわらび餅の甘さがほどよく合います。
暑い夏には涼しげなわらび餅もいいですね。

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