みつ豆 寒天の話

夏の味覚
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夏の和菓子、みつ豆。

夏以外でも食べることがありますが、寒天の入ったみつ豆は涼しげで夏にもおすすめの和菓子です。

榮太郎のみつ豆

榮太郎といえば、みつ豆よりもあんみつの方が人気ですが、今回の主役は寒天なのでみつ豆にしました。しかも白みつ。

冷蔵庫で冷やしたみつ豆はひんやりとして、水ようかんや水まんじゅうと並ぶ夏の風物詩です。

さて、寒天の話を。

現在の和菓子の大半は、江戸時代にその基礎が出来上がったといわれています。

それほど江戸時代は和菓子が発展した時代なのですが、その発展に欠かせなかったものが、砂糖と寒天です。砂糖は長崎でオランダと中国から大量に入ってきたとこにより、カステラをはじめとした様々なお菓子が作られるようになりました。

2015年に日本一周したときのもの 長崎の出島にて
2015年に日本一周したときのもの 長崎の出島にて

その一方で寒天は、江戸時代に製法が発見され、現在の羊羹が作られるようになり、以後保存食としてお菓子だけでなく様々な食に広がります。

寒天が発見されたのは江戸時代の中頃といわれています。伏見の旅籠屋 (はたごや) の主人が、残り物の心太(ところてん)を外に出しておいたところ、後日全く別のものに変わっているのを発見します。夜の寒さで凍結した心太は、陽射しを受けて自然乾燥していたのです。試しに煮てみると、心太独特の臭みのない透明の塊ができました。

寒天という名前には諸説ありますが、「寒ざらし の心太(ところてん)」が略されて「寒天」と言われるようになったとも伝えてられています。当初はそのまま洗って食べることが多く、刺身として食されていたようです。

その後、寒天の製法が研究され生産されるようになると、煮ものやなますなど料理にも使われるようになったとされています。今では寒天の用途は多岐にわたり、食用加工品(羊羹・ジャム・ゼリー・乳製品など)、工業用品(塗料・糊料など)、医薬用(緩下剤、医薬カプセル、オブラートなど)、化粧用品(シャンプー・乳化剤など)に使われています。

寒天の発見は和菓子にとって大きなもので、寒天が和菓子の革命をもたらしたとも言われるほどです。江戸時代中期に発見された寒天は、羊羹に使われるようになり、1795年頃には江戸で寒天を使った煉羊羹が売られるようになり、以後寒天を使った和菓子が広がっていきます。

それまでの羊羹は、小豆の餡に小麦粉を混ぜ、砂糖と煮汁で練って蒸したもので日持ちがしませんでした。寒天を使うことで日持ちが、現在の煉羊羹になり、技術が進歩していくうちに水分の多い水羊羹が作られるようになり、夏の風物詩となりました。

寒天は癖が無く保存が効くことから、和菓子に限らず様々な料理に使われるようになります。当時の名残りとして溶き卵を寒天で固めた食べ物は、郷土料理として各地にあります。金沢では「べろべろ」という、生姜汁に溶き卵を入れて寒天で固めたものがあり、富山県には「べっこう」という、溶き卵を入れた寒天に醤油で味付けしたものがあります。愛媛の宇和島でも卵寒天が正月をはじめとしたおめでたいハレの日に食べられてきましたが、秋田と山形の寒天料理は特に有名かと思います。よくテレビでも放送されますが、秋田は特に有名で、何でも寒天で固めてしまうなんていわています。

雷寒天という甘い寒天液に牛乳と卵を混ぜて固めたものや、じゅんさいを混ぜたものが知られていますが、そうめんやパンまでも寒天で固めてしまいます。サラダ寒天なんてものもあります。きゅうり、にんじん、ゆで卵などの具をマヨネーズで味付けして固めたもので、砂糖が入っていて少し甘いみたいです。大抵スーパーの総菜コーナーに置いてあるようで、地元の人にとってはごく普通の、食べ慣れたものになっています。保存食が貴重だった東北ならでは食文化でしょう。

諏訪市博物館の寒天の展示 2015年日本一周の時のもの

寒天といえば、明治時代は日本から海外に輸出していました。炭疽菌や結核菌、コレラ菌を発見したコッホが、寒天を培地(細菌を培養させるもの)に使ったことから、海外での需要が高まったのです。長野県の諏訪地方では江戸後期から寒天が造られていましたが、鉄道が通るようになった明治26年以降に更に寒天の製造が盛んになります。

昭和の初期に寒天製造が盛んだった茅野駅周辺の宮川という地域では、今でも当時の寒天を収納する寒天蔵が数軒残されています。昔の歴史や文化、人の暮らしに興味のある人は、散策してみるのがおすすめです。自分はまだ行っていないのですが…。

茅野駅の一つ先には上諏訪駅がありますが、そこでは5つの蔵の地酒を飲み比べできる「諏訪五蔵めぐり」というものがあります。鰻のお店もあるので、茅野とセットで散策してみるのもいいのかもしれません。機会があったら寒天蔵を観に行って、メインサイトの綴る旅に載せたいと思います。電車で日本一周をした時のことも書いているので、国内の旅に興味がある人は、見てみてください。

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