大人の嗜み 日本酒の味の違いを簡単に説明

体験談
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今回は日本酒の種類の違いを簡単に説明したいと思います。美味しい日本酒を飲んだのがきっかけで、日本酒に興味を持ち始めた人や、仕事柄日本酒の知識を持つ必要がある人の参考になればと思い、とりあえずこれを押さえておけばいいのではないかと思うことを書いてみました。

簡単な説明にしようと思ったのですが長くなってしまったので、「基本的な分類」だけをまず押さえておけばいいのかと思います。始めのうちは違いもなにもよく分からないと思うので、慣れるまでは目を通してそんなものかと思うくらいでいいのかと思います。

基本的な分類

日本酒はごく大雑把に、3種類に分けると理解しやすいかと思います。

純米酒系、本醸造酒系、吟醸酒系です。

純米酒系は米と米麹のみで造られているお酒、本醸造酒系はそれに醸造アルコールを添加したお酒、吟醸酒系はお米のいい所だけを使って香りが出るように造られているお酒です。

純米系とそれに醸造アルコールを添加した醸造系の2種類のお酒がまずあって、そのそれぞれの中でもお米のいい部分だけを使った吟醸系があります。吟醸系は高級酒の目安ともいえるもので、純米系でも醸造系でもその中でいいお酒が吟醸系になるというイメージでいいのかと思います。

日本酒の種類を8種類に分けるとより分かりやすく、純米大吟醸、純米吟醸、特別純米酒、純米酒、大吟醸、吟醸酒、特別本醸造酒、本醸造酒となります(ついでに、この8種類のお酒はどれも麹米の使用量が15%以上、3等以上の酒米かそれに相当するお米を使っているのが条件で特定名称酒と呼ばれています。これに該当しないお酒は普通酒と分けられています)。

純米酒系本醸造酒系吟醸酒系と色付けしてみると、

純米大吟醸純米吟醸特別純米酒純米酒大吟醸吟醸酒特別本醸造酒本醸造酒となります。

吟醸酒について

吟醸酒系がいいイメージで高級なお酒というイメージと説明したのは、原料のお米の外側を削って中心のいい部分だけを使って造っているからです。削るのを磨くというのですが、余計な部分を磨いたお米を低温で時間をかけて発酵させると、いい香り(吟醸香)のする吟醸酒になります。

ただ、吟醸酒だからといって必ずしも美味しいお酒とは限りません。お米を磨くことでフルーティないい香りのするお酒になりますが、その匂いが嫌いだという人もいます。吟醸酒だと値段が上がることがありますが、高いからといって必ずしもそれがいいお酒で、美味しいお酒とは限りません。あくまでもそういう種類のお酒と捉えておくのがいいのかと思います。

純米酒について

純米酒は高過ぎず安過ぎず中間の値段のする日本酒です。純米酒こそが自然な日本酒だといって好んで飲む人もそれなりにいます。吟醸香がせず、醸造アルコールが添加されていない日本酒が好きな人は、純米酒を飲むのがいいのかと思います。

本醸造酒について

その一方で、辛口でキリっとしまった本醸造が好きな人も一定数います。 本醸造酒は、醸造アルコールを入れてお酒の味を整えた日本酒です。醸造アルコールは添加物なので、まがい物、お酒の品質を下げるものというイメージを持つ人がいるのかもしれませんが、本醸造酒は特定名称酒なので白米総量の10%以下までしか醸造アルコールが使えないように決められていて、お酒の質が下がるまでアルコールが添加されるようなことはありません。あくまで味を調整させるために少量加えらえる程度です。

ただし、特定名称酒ではなく普通酒となると、醸造アルコールの使用量に規定(制限)がないので、中身のほとんどが醸造アルコールという不味い安酒も中にはあります。安居酒屋で熱燗なんかで飲んで不味いと思ったことのある日本酒は、大抵そうしたお酒です。

獺祭について

有名な獺祭はどれも純米大吟醸です。酒米のいい部分だけを使って低温でじっくり発酵させているので値段が高く、そしてフルーティないい香り(吟醸香)がします。純米系の大吟醸酒だから純米大吟醸というのですが、この「大吟醸」というのは精米歩合が50%以下のお酒と決められています。

最低でもお米の50%を削ったお酒であり、お米の半分を削り取っているのでそれだけ沢山のお米が必要になるので値段が高くなります。また、削れば削るほど味はよくなりいい香りが出ますが、酒米が割れやすくなるので丁寧に時間をかけて磨くので時間もかかります。一般にお米を70%まで磨くのに約11時間かかるのに対して、50%まで磨くのに約45時間、40%まで磨くのに約70時間必要といわれています。

なので純米大吟醸の中でも、磨き具合によって味も値段も変わります。右下の純米大吟醸45は獺祭のスタンダードなお酒ですが、磨き具合45%なのでお米全体のうち45%だけを使っています。左端の磨き3割9分は39%のみ、そして真ん中の2割3分は23%のみ使っています。全体の77%削り捨てるので、同じ量の日本酒を造るのにそれだけ沢山のお米が必要となります。

お酒の値段にはそういった違いがあります。

生酛系のお酒も注意

一般的な種類の区別について簡単に説明しましたが、それとはまったく違ったタイプの生酛系(きもとけい)のお酒があるので、これも知っておいた方がいいです。雑ですが簡単に説明すると、昔の製造方法で造られた日本酒です。味は綿あめのような甘みとたくあんのような風味がしてとろみがあります。色も褐色で特徴のある日本酒です。

日本酒の味を覚えようとした時に知らずに買ってしまうと、日本酒が嫌いになりかねないので知っておいた方がいいです。「昔ながらの」とか「乳酸菌を生かした」とか興味をそそる宣伝で買ってしまうと、不味いと思う可能性が高いので「山廃」や「生酛」と書かれているものは、分かったうえで買った方がいいです。

念のために、生酛系のお酒が不味いとは言っている訳ではありません。水のようにすっと口の中に入っていくイメージやフルーティな香りを期待して飲むと、美味しくないと感じたり、日本酒が嫌いになりかねないお酒だということです。個性的な日本酒なので、買う時はよくラベルを見てから買った方がいいという意味です。

個性的な生酛系の日本酒を飲んでみたいという人は、天狗舞山廃仕込純米か大七純米生酛が有名です。菊正宗の上撰本醸造生酛や初孫も買いやすいのかと思います。生酛系は「生酛」と「山廃酛(やまはいもと)」の2種類あるので、「山廃」と書かれたものもそれに当たります。

生酛系の日本酒は独特の色と香りをしていますが、濃厚なアテやブルーチーズ、チーズやバターを使った料理にも合います。

原料にも注意

ついでですが、日本酒の味は使っているお米=酒米で変わります。もちろん水の質や酵母の種類によっても違いますが、酒米は興味があれば知っておいてもいいのかと思います。一番有名で一般的なのが、山田錦です。酒米の王様といわれ、純米大吟醸に使われることが多い酒米です。

日本酒を飲み比べる時は山田錦と別の酒米、例えば五百万石、美山錦、愛山、雄町などの日本酒と飲み比べてみると面白いかと思います。

味わい方

温度

日本酒は繊細なので温度によって味が変わります。冬に飲む機会が増える温かいお酒を「熱燗」といいますが、正しくは熱燗は50℃くらいの温かいお酒であり、お燗(温かいお酒)の種類の一つに過ぎません。

細かく区別すると、30℃くらいが日向燗(ひなたかん)、35℃が人肌燗(ひとはだかん)、40℃くらいがぬる燗(かん)、45℃くらいが上燗(じょうかん)、50℃くらいが熱燗(あつかん)、55℃以上が飛び切り燗(とびきりかん)、20度くらいが常温、15℃くらいが涼冷(すずび)え、10℃くらいが花冷(はなび)え、5度くらいが雪冷(ゆきび)え、となります(『日本酒バイブル』を参照)。

お酒によっては常温かお燗なら美味しいけど冷やすと味が落ちるというものや、冷酒か常温ならいいけどお燗にすると味が落ちるものがあります。細かい違いはいいとして、繊細なもので温度によって味や香りが変わることを何となく押さえておけばいいのかと思います。

酒器

器によっても味・香りは変わりますので、家で買ってきた日本酒がいまいちだと思ったら、酒器を変えて飲んでみると美味しくなるかもしれません。口の狭い器なら香りが広がらないので、アルコールの臭いがきついと思ったら冷やして口に小さいグラスで飲むと飲みやすくなります。

日本酒をワイングラスに注いだ写真を見たことがある人は多いかと思いますが、純米大吟醸や大吟醸といった香りがいい日本酒は、口の広い器で飲むと香りをより楽しむことができます。

その他の日本酒

おまけです。日本酒が美味しく感じるようであれば、季節ものや火入れのしてないもの、スパークリングも飲んでみると日本酒の楽しみ方が広がると思います。

立春朝搾り

立春の朝に酒蔵で瓶詰して売り出す出来立ての新鮮なお酒です。通常のお酒は搾って貯蔵する前に殺菌のために火入れをし、貯蔵する前にもう一度火入れをして、計2回の火入れをしますが、立春朝搾りは火入れをしないで販売するお酒です。

ですのでフレッシュな味わいを楽しめます(賞味期限は2週間くらいと短くなります)。濃厚で甘みと香りが強く、コクがあり飲み応えのある味わいです。立春の日に限らず年が明けてからしぼりたて新酒として売られる日本酒も同じように造られています。

立春は旧暦では正月にあたるので、立春朝搾りは縁起物として人気があります。アルコールは通常の16%か少し高い17%のものが多いのかと思います。

秋上がり、ひやおろし

夏の間蔵で寝かせ秋に出荷するお酒を秋上がり、もしくはひやおろしといいます。現在は機械で製造しているので通念日本酒が生産されていますが、昔ながらの酒蔵ではひと夏寝かせたお酒は深みやコクがあり、味わい深いものとなります。火入れも1回しているので控えめなフレッシュ感と芳醇さを併せ持った味わいとされていましたが、最近では酒蔵によって火入れの回数が異なるようです。アルコールが高いものが多いかと。大体17℃~19℃のものが多いような気がします。

生原酒

生原酒とは火入れをせず加水もしない日本酒で、フレッシュでフルーティな味わいが楽しめる日本酒です。アルコールは高く、17℃~20℃となります。ろ過をしない無濾過生原酒というのもあり、生まれたばかりのお酒ともいわれます。

どんなお酒か興味ある人は、大抵コンビニやスーパーで売っているふなぐちを飲んでみると味の特徴が分かりやすいかと思います。加水していないので、氷を入れて飲むのもおすすめです。甘いお酒や冷たいお酒に抵抗のない人は、夏にもおすすめなので試してみるといいと思います。

スパークリング

発泡性のしゅわしゅわした爽快な飲み口の日本もおすすめです。澪が有名ですが、低アルコールで酒臭さがなく、甘口なので飲みやすいので、女性にもおすすめです。低アルコールの日本酒スパークリングはいろいろと種類があるので、甘口が好きな人にはいいのかと思います。

本格的なスパークリングもあるので、買う時はアルコールの度数に注意した方がいいです。八海山や七賢などの酒蔵の出すスパークリングは甘くなく、アルコールが通常のと同じくらいあります。スパークリングだからといって全部が全部甘くてフルーティなものとは限らないので、買う時は注意が必要です。

まとめ

以上、ざっとではありますが、日本酒の種類について書いてみました。覚えるのが面倒な人は、高いお酒と安いお酒のどこが違うのか、何となくでもいいので押さえておけばいいのかと思います。

日本酒を覚えるのなら、まずはいろいろはタイプのものを飲むのが近道なので、利き酒のできるお店に行ったり、家で小瓶を買って飲み比べるのがおすすめです(利き酒のできるお店についてはこちらに書いています)。

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