法隆寺には有名な金堂や五重塔、中門、夢殿の他にも、見どころのある建物がたくさんある。
今回は国宝や重要文化財に指定されているそれらの建物を紹介する。
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三経院(さんぎょういん)・西室
西院伽藍は回廊の西にも見どころがある。
回廊の西隣には三経院(さんぎょういん)・西室があり、その北には西円堂がある。
聖徳太子が勝鬘経・維摩経・法華経の三つの経典を注釈した『三経義疏』にちなんで付けられている。
三経院は鎌倉時代に西室の南を改造した国宝の建物。
西室は元々、廻廊に隣接する僧侶たちの居室だったが、平安時代に焼失した後、鎌倉時代に再建された。
見逃してしまったが、回廊の裏(北)には上御堂(かみのみどう)という、奈良時代に造られ鎌倉時代に再建されたお堂がある。
西円堂
石段を上った小高い場所には西円堂がある。
薬師如来像を安置する八角円堂のお堂で、無病息災・延命長寿などの祈願が行われてきたお堂。
奈良時代の養老2年718年に光明皇后の母、橘夫人の発願によって行基菩薩が建立したという伝承がある。
現在の建物は建長2年1250に再建されたもので、国宝に指定されている。
凝灰岩の礎石や二重の須弥壇に天平期の名残りが見られるのが特徴。
堂内には薬師如来の霊験を物語る夥(おびただ)しい数の刀剣や弓
甲冑、鏡などが奉納されていた。
高台からは五重塔が見え、その手前の西室の屋根を見ることができる。
階段を上った所からは斑鳩の町を見ることができ、隠れた名所に思える。
国宝・重文の多い法隆寺
一通り法隆寺の境内を紹介したが、驚くのが国宝・重文の多さ。
目立たず静かに普通に国宝が立っていて、注意しないと見逃してしまうほどだ。
それだけ国宝が多いことに驚く。
五重塔と金堂のある回廊や大宝蔵院、夢殿だけでも十分見どころがあるが、他にも歴史のあるお堂や建物がいくつもあるので、参拝した際は是非ともゆっくり観たいものだ。
ゆっくり参拝すれば2,000円という拝観料も高くは感じない。
※拝観料は令和7年2025年3月から、1,500円から2000円に上がる
築地塀
法隆寺を参拝する際は、境内を囲む土塀もゆっくり味わいたい。
築地塀ともいい、所々修理されているが、そうでない場所は歴史が感じられるものがある。
築地塀 iセンター
法隆寺に参拝する際は、できれば事前に法隆寺iセンターに行くのがお勧め。
無料の観光案内所で法隆寺の参道にある。
法隆寺の改修に使った工具や法隆寺の五重塔をどのように造ったかの解説がある。
特に五重塔は法隆寺に参拝する前に展示を観るとよりその凄さが分かるのでいいが、参拝の後でも是非とも立ち寄りたい場所である。
やりがんなを使ってエンタシスを造っている様子も。
参拝した感想
紹介してきたように法隆寺は、見どころが多くゆっくり参拝したい寺院。
法隆寺の東には法輪寺や法起寺があるので、1日かけて周辺を歩いてみるのもいいかと思う。
法隆寺の西には6世紀後半の円墳で知られる藤ノ木古墳があり、また西里という、法隆寺の建物を守り続けた大工集団のいた集落がある。
旧集落は60戸ほどで今も歴史を黙々と伝える土壁や鳩倉等が残っているという。
実際は、現実的には、折角奈良に訪れたからには限られた時間内でより多くの寺院を巡ろうとするが、一つのエリアをゆっくりじっくり散策するのも、贅沢だと思う。
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