世界遺産の古都奈良の文化財に登録されている興福寺。
中世、比叡山延暦寺とともに南都北嶺として大きな力をもった寺院で、かつての繫栄を伝える見ごたえのある堂塔や名宝が残されている。
明治時代の廃仏毀釈でひどく荒廃し廃寺になりかけたが、少しずつ復興し、以前よりも往時の面影を感じられる寺院になっている。
今回から興福寺について、その歴史や見どころを紹介していきたいと思う。
※2025年3月現在、五重塔と東金堂を改修工事中
興福寺の見どころが減っている状態ともいえる
参拝の基本情報
拝観時間と拝観料
境内を歩くだけなら無料。
中金堂は
拝観時間:9:00~17:00(受付終了は16:45まで)
拝観料:500円
国宝館は
拝観時間:9:00~17:00(受付終了は16:45まで)
拝観料:700円
東金堂(改修工事中、再開は未定)
拝観時間:9:00~17:00(受付終了は16:45まで)
拝観料金:300円(工事以前の料金)
北円堂
春季、秋季に特別開帳
五重塔
令和13年3月まで工事予定
中には入れないが拝観料はかからない
所要時間
それなりに観るなら1時間半、きちんと観るなら2時間が目安。
だが1時間未満で拝観が終わる可能性が高い。
修学旅行生が多いのでゆっくり観れないのが現状。
さっと観るだけなら45分で回れる広さ。
修学旅行生がいると国宝館はじっくり観れないし、中金堂・東金堂は中に入れても意識して観ないと5分くらいだし、五重塔はじめ他の建築物は外から眺めても5分くらいしか見続けられないから、興味がないと直ぐに参拝が終わってしまう寺院ともいえる。
アクセス
JR奈良駅よりバス約7分(奈良交通)、徒歩約15分
近鉄奈良駅より徒歩5分
おすすめの拝観ルート

南から拝観するのがおすすめ。
興福寺は廃仏毀釈の影響で参拝の際の動線がない。
何となく境内に入り何となく参拝が終わる寺院と言ってもよく、かつての正門があった南から参拝して、中金堂に入るのがおすすめ。
西の南円堂や北円堂、三重塔を観てから東の国宝館に行き、そこから奈良公園や春日大社、東大寺に行くのがいい。
南から参拝する際は、近鉄奈良駅から歩くなら一旦南に行く必要がある。
JR奈良駅から歩く場合は三条通りをそのまま歩いて行けばいい。
東大寺や春日大社、奈良公園から興福寺に行く場合は、東口の国宝館から入ることが多い。
遠回りをして南から参拝した方がいいが、面倒なら東から入ってもいい。
ならまちや元興寺に行くのなら、西の国宝館の入口から入って、五重塔・東金堂(改修工事中)、中金堂、南円堂、北円堂、三重塔を観て回るのがいい。


簡単な興福寺の見どころ
上述の通り興福寺はかつて大きな勢力をもち、それがうかがえる堂塔や仏像が残されている。
その最たるものが五重塔。
力強い迫力のある五重塔は藤原氏の権力を表しているかのような塔。
阿修羅像をはじめとする仏像も見どころ。
藤原氏が隆興した奈良時代と復興に燃えた鎌倉時代の仏像は、日本の仏像の中でも名作とうたわれるものが少なくなく、素晴らしい像が残されている。
北円堂は日本の八角円堂の中でも評価が高いお堂で、三重塔は華麗さがある。
詳しくは次回以降の記事で書くが、主にそれらが参拝の際に観ておきたい建築や仏像となる。
簡単な興福寺の歴史
奈良時代に藤原氏の氏寺として造られ、藤原氏の隆興とともに栄えた。
中世まで大きな力を持ち、僧兵の強訴を度々起こし、大和国を実行支配した。
戦国時代に衰退し、江戸時代に徳川幕府の寺社統制下に入り、明治時代に神仏分離令で大打撃を受ける。
廃仏毀釈で堂塔は荒廃し、仏像はじめ多くの宝物が流失し、あわや廃寺になりかける。
戦後に復興を始め、現在はかつての中心的建物だった中金堂が再建され、往時の姿を少しではあるが取り戻している。
詳しくは次回の記事を参照。
YouTube
動画でも紹介しています。
ぜひご覧ください。
コメント