断酒して1年。
初めの3ヶ月は苛々することが多かったが、半年経てばそれもなくなり、強い飲酒欲求に苦しむこともなく、酒を飲まずにここまで来れた。
断酒をした結果、日常生活が格段に向上した。
時間が増え毎日が以前よりも充実するようになった。
酒をやめることができてよかった、と心底そう思う。
今回は断酒して一年経過して感じたことを、書きたいと思う。
半年後 飲まなくても会話に困らなくなった
断酒1ヶ月で感じた苛々(飲まないとうまく話せないというストレス。詳しくはこちら)は半年でなくなった。
シラフの頭で、うまく話せない原因を考え、どうすれば改善できるかを試した結果、自然に会話できるようになった。
酒を飲んでいた頃は、問題を直視せず、不安を紛らわしていただけだった。
酒をやめたからこそ、課題を分解し、対処できた。
そもそも「酒を飲めばうまく話せる」という考え自体が幻想だった。
酔っていると滑舌は悪くなり、声は小さくなり、早口になる。
相手も酔っているため、理解されていなくても流されていただけだった。
断酒8ヵ月後 飲酒欲求が出た
いいシチュエーションと酒がリンクしてしまう
断酒してから8ヶ月が経った頃、始めて飲酒欲求が出た。
一般的には、断酒後、飲酒欲求が大きくなるのは150日〜180日(5〜6ヶ月)後だという。
その期間にスリップする人が多い。
(スリップとは再飲酒してしまうこと)
その期間が過ぎても飲酒欲求が全くなかったから、自分には無縁だと思っていた。
が、違った。
きっかけは京都旅行だった。
鴨川沿いのルーフトップバーを調べていたら
「こんな所で飲んだら気持ちいいだろうな」
と思った。
※ルーフトップバー:納涼床の灯りを見ながらお酒を飲めるバー
ノンアルを飲むつもりだったが、情景と酒が結びつき、飲酒欲求が湧いてきてしまった。
それから数日は、その気持ちが収まらず、夢の中で酒を飲んでいる夢を数回見た。
これではいけない、飲んでしまう
そう思い、なぜ自分は断酒したのか振り返った。
以前のブログの記事も読み返し、
どんな状況でも酒が美味しいというのは幻想だ
ということを思い出した。
そしたら欲求は収まった。
長年の習慣はすぐには脳から消えないもので、いいシチュエーションと酒がリンクしてしまう。
長年の飲酒習慣を脳が記憶しており、まだまだ油断できないと再認識した。
疲れと怒りは飲酒欲求を呼ぶ
その京都旅行では、旅の最中にも飲酒欲求が出てきた。
大きな欲求ではなく、断酒の決断が揺らぐほどのものではなかったが、
「あぁ、人はこういう時にお酒を飲みたくなるものだったな」
と思い出した。
それは疲れを感じた時だった。
夏の暑いなか終日歩いて疲れた時に、
「酒でも飲んだらこの疲れが消えるのにな」
と思った。
歩き過ぎて翌日筋肉痛になった時も、
「酒でも飲んだらこの痛みが和らぐのにな」
と思った。
怒りを覚えた時も、酒を飲みたくなった。
旅の最終日、帰りの新幹線が1時間半の遅延になった。
移動時間を節約するために高い料金払って新幹線に乗るのに、遅れるんじゃ新幹線の意味がないじゃないか
と苛立った。
そんな時に、
「酒でも飲んだらこの怒りも収まるのにな」
と思った。
人は疲れや怒りを紛らわすために酒を飲む
嫌な感情を麻痺させるために飲む
そんなことを再確認した。
飲酒欲求を抑えたものは断酒継続期間
実はこの時、飲んでもおかしくない状況だった。
断酒が当たり前になり、人生が劇的に良くなった実感も薄れていた時期だった。
断酒の目的だった、YouTube動画作成も上手くいっていなかった。
相変わらず自分の納得のいくものを作れず、酒を飲んでも飲まなくても変化がない時期だった。
だから「飲んでもいっか」と思う気持ちもあった。
それでも飲まずに済んだのは、次のことを考え、飲酒欲求を抑えることができたからだった。
何のために断酒したのか
飲んでも気持ちいいのはその時だけじゃないか
飲んだらこれまでの我慢が無駄になるぞ
これらを何度も何度も考え、飲酒欲求を消した。
特に効いたのは三つ目だった。
ここで飲めば、また振り出しに戻る
あと少しで1年なのに、やめるのか
その思いが欲求を断ち切った。
普段なら「何のために断酒したのか」と考えれば、欲求を消せる。
酒をやめて、惨めな自分を変えて、幸せになる
そのために酒を飲まない
その気持ちが、普段は断酒の支えになっていた。
しかし、旅行の時は、「これまでの我慢を無駄にしたくない」という思いが、一番効果があった。
断酒は継続そのものが力になる。
毎日の積み重ねが自分を守る。
そんなことを実感し、また、断酒を続けて良かったと思った。
そのおかげで、「まだまだ断酒を続けたい」という気持ちが増した。
1年後 振り返ると生活が格段とよくなった
一般的に、断酒のメリットは
時間・健康・お金が手に入る
という言葉に集約される。
1年酒をやめてみて、正にこの通りだと実感する。
時間
酒を飲んでだらだらと過ごしていた時間が消えた。
それを自分のやりたいことに使えるようになった。
自分にとって、酒を飲んでいる時間は有益なものではなかった。
その場限りのものだった。
気持ちよくなりたい
心地よくなりたい
疲れを紛らわしたい
目の前の心配事や将来の不安を紛らわしたい
酒を飲んで気分がよくなっても、充実感や満足感を得ても、翌日目を覚ませば消えていた。
親しい人と外で飲んでも、翌日あまり話した内容を覚えていない。
目の前の課題や将来の不安は、翌日に解消されていない。
唯一のメリットはストレス解消と言えるだろうか。
それも、体を悪くするし、お金も時間も使うしで、それほどのリターンがあるとは思えないが。
断酒によって、そうした無駄な時間が丸ごと手に入った。
考える時間が増えた。
酒についてあれこれ考える時間も、断酒のおかげでなくなった。
今晩は何を飲もうか
次の休日は何を飲もうか
ビールに合うつまみは何がいいか
薄はりグラスで飲もうか。陶器で飲もうか
そんなことを考える時間もなくなった。
どれほど無駄な時間だったか。
恥ずかしながら、過去に、美味しい酒やつまみをブログに載せていた。
そんな無駄な時間がなくなり、自分のやりたいことをする時間が増えた。
飲酒後の後悔や自己嫌悪がなくなったのも、時間が増えたことになる。
朝の貴重な時間を罪悪感で潰すことがなくなり、他の事を考えられるようになった。
健康
断酒のおかげで、起きた時のあの体の重さがなくなった。
もちろん疲れが残っていたり、怠い時はあるが、酒を飲んでいた頃の、あのずっしりとした、どんよりとした、体の重さから、解放された。
1年断酒すると、「毎日が快調だ」「今日も絶好調だ」という感覚はない。
毎日健康であることを意識しない。
しかし、酒を飲んでいた頃を思い出し、当時と今とを比べると、毎日が楽で健康的になったことを実感する。
疲労の程度も軽くなった。
それと、脳に関して、飲酒を続けると脳が委縮することは、よく知られている。
その点でも断酒は健康面でいいに決まっている。
先ほど書いたように、断酒してもやりたいことが上手くいく訳ではない。
断酒によって増えた時間を有効に使える訳でもない。
それでも脳の機能の面では、飲まない方がいいに決まっている。
お金
お金が増える、当然ながら。
毎月、数万円を酒に使っていたから、それが残る。
酒を飲むと、変にグルメになり、また金銭価値が狂う。
酒やつまみにお金を使うことに抵抗がなくなっていく。
ワインや日本酒は、美味しいものを飲むのなら、3,000円はくらいはしないと満足できなくなる。
物価高になる前の話で、2025年現在なら4千、5千のワインや日本酒になる。
一時、外食にはまったが、外で飲めば、2、3杯飲んで食べて5,000円は使い、それでも満足できなければ、はしごしていた。
これも現在なら8千円くらいするだろう。
外食では、今では考えられない額のお金を使っていた。
言うまでもなくそれらのお金を貯金していたら、かなりの金額になるし、投資していたら、更に増えていた。
1年後 酒は怖いと改めて思う
酒は疲れや不安を一時的に和らげる。
その代わり、考えるべきこと、向き合うべきことを先送りにさせる。
課題やストレスは、成長の入口でもある。
それを曖昧にするところに、酒の怖さがある。
断酒1年で生活は向上したが、それと同時に、どれほど時間を無駄にしてきたかも思い知らされた。
考え方がおかしくなる、と言い換えることもできる。
金銭感覚がおかしくなるのもそうだ。
(先ほどの酒やつまみの話)
飲んで仲良くなろう、というのも、冷静に考えればおかしな話だ。
1年経って分かった断酒できた本当の理由
最後に、これを言うと元も子もないのだが、断酒できた最大の理由を書こうと思う。
それは、仕事を辞めたことだ。
強いストレス環境から離れたことで、酒に頼る必要がなくなった。
正社員として嫌々働いていた頃は、正気を保つために酒を飲んでいた。
不安や疲れを酒で誤魔化していた。
社員を辞めて、環境が変わったから断酒できた。
意思の力だけではなかった。
Xで断酒に苦しむ人の投稿を見るたび、それを痛感する。
もし今も同じ環境にいたら、自分もやめられなかっただろう。
だから、断酒してこんなことを思う。
たとえ1年間、社員を辞めてアルバイトで生活しても、断酒できるならいいのではないか。
断酒してからまた正社員に復帰すればいいではないか
(もちろん職場が変わるし、給与面での待遇も悪くなる)
と。
酒の健康被害を考えれば、ごく自然にそう思える。
それを実行するのは、決して簡単ではないことを知って敢えて言うのだが。
これから断酒をはじめる人へ:断酒の歩みを続けるための、いくつかの参考情報
断酒を始めると、気持ちや体調が少し揺れやすい時期がある。
眠りが浅くなったり、気分が落ち着かなかったり、習慣が変わることで戸惑うことも。
そうした時、考え方の整理に役立つ本を読んだり、生活リズムを整えるサプリを補助的に使ったりすることで、歩みが少し楽になることがあると、言われている。
ここでは、断酒や習慣づくりについて調べる中で、よく紹介されている本やサプリを、客観的な情報としてまとめておきたいと思う。
※私自身が読了・使用したものではなく、「参考として挙げられることが多いもの」を紹介しています。
断酒や習慣づくりの理解に役立つとされる本
断酒は、仕組みや習慣の変化を知ることで、気持ちが楽になると言われています。
ここでは「解説がわかりやすい」「読まれることが多い」と評判の本をいくつか挙げます。
① 心理と医療の両面からやさしく解説
『「そろそろ、お酒やめようかな」と思ったときに読む本』
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楽天
専門医が、アルコールとの付き合い方や、やめ方を丁寧に整理した一冊。
お酒を手放すのが難しく感じる人に、仕組みや考え方の変え方を示してくれます。
出版社の紹介では、専門医による最新知見を基に、お酒の正体ややめ方、続けたときの利点が触れられているとされています。
文章が静かで落ち着いているので、夜や休息の時間に少しずつ読めるタイプ。
おすすめ度:初めて断酒を考える人、心の整理をしたい人に特に向く。
② 心のハードルを下げるロングセラー
『禁酒セラピー ― 読むだけで絶対やめられる』
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アレン・カーの『禁煙セラピー』の禁酒版で、やめられない理由や心の仕組みを、平易に解きほぐすロングセラー。
説明では、お酒という迷路から抜け出す地図のような内容とされ、やめられないはずがない、と説かれています。
読後、気持ちがすっきりしやすく、次の一歩を踏み出す心の支えとして使いやすい。
ノウハウだけでなく、心理の整理にも寄り添う内容。
おすすめ度:心の糸が絡まって前に進みにくい人、すぐに読んで気持ちを立て直したい人に向く。
③ 断酒の道のりを、実際の体験として味わえる一冊
『しらふで生きる 大酒飲みの決断』
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作家・町田康さんが、長年の飲酒生活から断酒へ至る過程を記したエッセイ/体験記。
絶望的な日々や難関の季節、誘惑を乗り越える姿が現実的に描かれており、断酒を続ける現実感が得られます。
出版社の紹介でも、眠れるようになる、身体が軽くなる、思考が明晰になるなど、断酒後の変化が語られています。
語り口は静かながら力強く、孤独な夜に寄り添う読み物としての値打ちがある。
おすすめ度:実際の体験談から勇気や共感を得たい人に最適。
身体の調子を整えるためのサプリ(参考)
断酒初期は、睡眠や生活リズムが不安定になることが多いです。
ここでは、睡眠サポートとしてよく紹介されるものを例として挙げています。
睡眠リズムのサポートとして紹介されることが多い商品
AJINOMOTO『ぐっすりグリナ』
味の素 グリナ 睡眠ケア&ストレスケア 6本入袋 グリシン GABA 睡眠 サプリ [機能性表示食品]の素
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グリシンを含む、機能性表示食品の睡眠サポート。
公式ページによると、深睡眠をもたらし、睡眠の質向上や睡眠リズム改善、起床時の爽快感、日中の眠気軽減、疲労感軽減などに役立つとされています。
断酒後の夜の不安や、眠りの質が気になる時に、短期間の補助として選びやすい。
個人差はあるが、使い方が比較的シンプル。過度な期待はせず、日々のリズムづくりの一助として。
おすすめ度:眠りが浅い、寝起きがつらい日が続く人に向けての控えめな補助。
ここで紹介している本・サプリは、いずれも 「断酒の補助として一般的に紹介されることが多いもの」 をまとめたものです。
効果の感じ方や、合う・合わないは個人差があります。
断酒そのものが主役であり、これらはあくまで「補助的な選択肢」です。
体調や健康状態に不安がある場合は、医療機関で相談することが推奨されています。


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